2008年4月30日〜5月7日

2月にインプをつぶしてしまい、どうしようかと考えていたら、ちょうどBNR32の話が・・・
半分ヤケになってますので、もちろん即答で購入。

で、エンジンをオーバーホールします(笑
(最近連休といえばエンジン下ろしてます。。。)
理由は、135,000kmと、いつブローしてもおかしくないからです。
とにかくためらわずに全開に出来るクルマでないと、私はイヤなんです。
また、せっかくのGT−Rが普通のクルマのエンジンフィーリングのままでは長く乗っていく気が起きません。
私にとってはBNR32は学生時代の憧れでもあり、ちょっと特別なクルマなので、残念?な気持ちで
乗りたくないです。
今の私でも楽しめるクルマに出来るはずと信じて、買って1000km走ってないけど、バラします。

目標は、ピーク馬力400ps、MAXトルク50kg・m以上の楽しい街乗り仕様です。

以上を前提にネットで調べたR32のRB26DETTの弱点は、オイルポンプとその他潤滑系のようです。
あと点火系のトラブルが多いようです。(経年劣化)
ただし、その他潤滑系についてはどのエンジンでも同様なレベルと判断し、高回転を多用すると
トラブルが多いというオイルポンプのみ対策したくなりました。
また、少しでもブーストアップするならやっておきたいヘッドガスケット交換です。

あとは消耗品の交換という最低条件で、バラし、組み立てます。

通常は今回のOHの手間を考えるとR33N1用ベアエンジン新品(約50万円)を購入する方が得策と考えます。
が、エンジン本体はなるべく安くして、他に予算を回したいため手間を掛けることにしました。
あくまで街乗り+αで、目的はとりあえずの安心感です。(またバラすのが前提?)


今回は、ある意味標準的なチューニングベースエンジンとしてRB26DETTの特徴や磨耗の考察をしていきます。




いきなりバラしてますが、たいへんでした。。。
それらの内容については組みながら追々説明します。

ブロックとクランク、メタル。
鋳鉄の純正ブロックは当時Gr.Aレースの600psでは使用されず、強化品を作ってたそうです。
Gr.A用は、R33N1用に強化された「12Uブロック」が同等品、とのことです。
まあ、街乗り400psなら問題なし。

ほぼ街乗りオンリー13万キロのメタルの状態は、子メタルが予想より磨耗が進んでいて、
親メタルはジャーナル面は問題ないレベル。(当たって光ってるところがまだらにある状態)
でもクラッチの動作によるスラスト面のメタル磨耗は結構進んでます。
が、ノンオーバーホールで20万キロ走るクルマも珍しくないので、親メタルは再使用します。

クランクのメタル当り面は綺麗そのもの。メタルに異常が見られないので、曲がり確認はしません。
(知らないほうが良いこともあると思います。)



クランクピン、ジャーナルサイズの刻印はココ。

サイズ分けがありますので、バラす前に部品の注文が出来ません。
EJ20はピストン以外はサイズ分けがない(厳密にはあるけど)ので楽だったのですが。

個人的には、数μ飛びのサイズなんて意味ないと思ってますが、広めにしたいとか、チューナーの意図を
考えると、これはメーカーの良心なんではないかと思ってます。



ベアリングキャップは7箇所が一体のもの。
ベアリングキャップの倒れ防止とのことで、現在では珍しくないですね。
規定トルク4.7〜5.3kg・mで締めて、手で軽くクルクル回るのを確認。



ボアの状態。
ホーニング痕はこんな感じで問題なし。縦キズはほとんど見つかりませんでした。
画像は一番磨耗が多かった1番シリンダーです。



ピストンとコンロッド。
今回はメンドクサイのでバラしません。
当然重量も測りません。



子メタルのキャップ側。
全面当りしてなくてまだ使えそうですが、



ロッド側はかなり磨耗してます。
やはり馬力が出てる=圧縮側の負担が大きいようです。
NA6ロドスタの12万キロノーマルB6エンジンではメタルは全然大丈夫でした。
という訳で今回は子メタルのみ耐久性のあると言われるF112材の東名製に交換します。
(ちなみに純正はF780材で親メタルも同じ。Gr.Aでも親はF780のままだったらしい)

学生の時にバラしたL28は、子メタルを上下入れ替えただけで再使用して全く問題なかったので
悩みましたが、東名製が意外と安かったので、換えることにしました。

ピンボスの左にクーリングチャンネル(冷却用通路)が見えます。
ピストンクーラーノズルがこの穴を狙っていて、ピストン内を冷却します。
通路はピストン内をグルッと1周しており、当然鋳造です。
鍛造のクーリングチャンネル付きは、溶接で製作するらしいです。



ピストンリング。
よく見えないかもしれませんが、トップリングが外周中央部、セカンドリングが外周下側が減ってます。
もちろん形状的には正常なのですが、通常13万キロも走ると全面当たってるものだと思ってましたが・・・
この個体の経歴が、距離の前半(6万キロ)までに10年ぐらい、その後4年で7万キロなので、
前半でリングがヘタって張力が落ち、磨耗が進まなかったのでは?
あくまで想像ですが・・・

厚さは標準的な1.5mm。
アフターもの(競技用)はエンジンに関わらず1.2mmが多いです。
そしてフリクション削減が目的で新品時の張力も低め。なので寿命も短いです。2〜3年がメドですね。



ピストンそのものは特別目立つキズも磨耗もありません。
今回はリングのみ純正新品にします。


通常ならだいたい8万キロくらいの磨耗具合と言えるのではないかと思います。
この個体は知り合いの中でも程度が良い、と言われてたものなので、距離の割には良好だと思います。
とはいえ、年式相応でシール類は硬化して漏れ出す寸前、クランクのオイルシールは既に滲みが出てました。

その2へつづく