2005年9月11日
センターデフを交換します。
ノーマルはビスカス。
変更の理由は、引きずり対策です。
コーナリング時、クルマの各4輪は軌跡の違いから回転差があります。それを吸収するため、
デフ=デファレンシャルギアがあるのですが、ご存知のとおり、1輪が滑ると駆動力が抜け、
前に進めなくなります。
インプのようなセンターデフの4輪駆動では、前後いずれかの1輪が滑ってしまうと前に
進みません。という訳で、”ダートも走るのが前提”のインプでは、センターとリアに
ビスカスが入っています。
当初はビスカスなんて効かないから、影響はないだろう、と考えてましたが、バネレートを
いろいろ試しながら走っているうちに、共通の問題が見えてきました。
横Gが掛かっている時、前後のグリップバランスの変化により、唐突に横のグリップが無くなるんです。
この原因として、センターデフの差動制限であるビスカスがあやしいのでは?
【考察】
1.ステアを入れた直後から前後の回転差は発生するはず。
2.リアデフのような左右デフは直結なので1:1だが、センターデフはファイナルがあるので、
ビスカスの効きが増幅され、約4倍になっている。
3.ランティス(FF)では、コーナリング中、アクセルオフではインプ同様にアンダーだが、
パーシャルにすると横グリップが上がり、曲がる。インプは曲がらない。
パーシャル時には、フロントタイヤを転がすことになるので、縦グリップは不要になり
横グリップのみとなるので曲がるが、インプではリアとの取り合いで縦グリップが必要。
4.イチカワ号に乗ったとき、前後のグリップがめまぐるしく変化した。(DCデフはロック状態)
荷重が抜けたほうのタイヤは一気にグリップがなくなってしまう感じ。
以上の結果から、センターデフは”フリー”(または”オープン”)の方が速く走れるはず、と。
スバルのミッションには、センターデフ、フロントデフも一緒に入っています。
解説図です。

面白いのは、ドリブンシャフト(カウンターシャフト)が2重構造(中空)になっていて、
フロントデフへのドライブピニオンシャフトのスペースを作っています。
ざっと説明すると、メインシャフトからドリブンシャフトで変速し、センターデフへ。
センターデフで前後へ振り分けられて、フロントにはドライブピニオンシャフト、
リアへはアウトプットシャフトから伝わります。
前半がトランスミッション部+フロントデフでケースは左右割、後半が
センターデフ部分です。
で、ヤフオクで手に入れたのはコレ。

GC8 STi Ver.4 RA用のミッションのリア側です。
この中にはDCデフ(ドライバー コントロール デフ)が入ってます。
前後駆動力配分が35:65で、電磁クラッチのPWM制御によりロック率をコントロールするものです。
とりあえずフリーであればいいので、コントロールは今後考えます。配線は車内に引いておきます。
バラして中身を確認します。


移植に使用するのは、デフ本体、アウトプットシャフト、エクステンション、配線を通すためのカバーです。

デフ本体。クラッチが見えます。回り止めがあり、画像手前側の2センチぐらいの部分は回転しません。
センターデフの交換はミッションを下ろさずに出来ます。
マフラーのセンターピース、プロペラシャフト、シフトリンケージ、ミッションマウント
とかなりの部品を外すことになります。
ちなみにミッションを下ろすとなると、さらにインタークーラー、クラッチ回りとタイヘンです。

ぼろぼろと外していき・・・

このあとオイルを抜いたところで今日は終了。雨が降ってきそうなので。
その2へつづく