2006年5月

ロドスタネタです。

ここ半年ぐらいで色々発覚したことがあり、基準となりそうな車高調を製作してみました。

ベースとしたのはKYBの純正形状タイプです。
まず部品手配。フロントはのりさんから以前頂いたGAB(NA6用)、
リアはこのために新品で、バズスペックNB8用(3万円ぐらい@2本)。
前後とも8段調整式です。



緑色のショックのものがヤフオクで中古で購入したキットもの。
ハイアッパーマウント、カブセのネジ式車高調というものです。
ステッカーには「圭オフィス」とあります。
で、バラバラにしました。

KYBのスプリングシート(皿)は圧入で、ハンマーで叩けば抜けます。
ただし、リング状のストッパーが溶接されていますので、削る必要はあります。




拡大しました。このリングを取らないとカブセキットが付きません。
このリング、ほぼ全周ガッチリ溶接されてます。純正品品質ですな。
どこかでこのストッパーを生かした改造キットがあればいいのですが・・・
【6/7追記】(Yzから標準で出ているようです。近々詳細を確認します。)

緑のショックはKYB品番からSRスペシャルと判明。一番安いやつですね。
ストッパー部を旋盤で削り落としてあります。だから競技専用部品なのか?



某所にて旋盤で加工しました。ずらしてあるのは、ずらすだけで使えないかと思ったのですが、
ダメでした。



切り取ったリング。ショック本体を傷つけないようにするのに気を使います。
サンダーで全部削ろうかとも思ったのですが、熱が結構出ますので大事を取って旋盤で。



削って塗装が剥げたところはちょうどカブセで隠れてしまうのでサビ止め塗装。
私はジンクリッチスプレーを良く使います。亜鉛によるイオン化傾向の違いで錆びません。
トタン板もそうですね。最近のクルマも亜鉛メッキが多いです。ゴルフなんかはサビ10年保証らしい。



カブセのネジがサビサビですが・・・気にしないことにしました。回ればいいです。
油塗っとけばいいでしょう。
このカブセ、上側20mmぐらいが追加工してあり、アッパー内に入るようにしてあります。
これがノウハウといって高いものになってしまうのでしょうか・・・



完成
バネは10k8kです。在庫?のTEINとシルクロード製で全長は200mm。
車高はGENさん(R-Junkieのリンク参照)のHPで細かく書いてあったので参考させて頂きました。

フロントが下側取り付けからスプリングロアシートまで220mm。
リアが同様に130mmにしました。が、K田号に取り付け後、フロントを
210mm、リアを125mmにして指1本強ぐらいの車高に。

ちなみにケース長F:336+カブセ5mm、R:235+カブセ5mm、
ストロークは前後とも115mm、バンプラバーはF:35mm、R:40mm。
アッパーマウントはNBアッパーに対して15mmのハイマウント。

インプレ、結果はわかり次第アップします。


2006年7月7日

やっと作手に行ってきました。13時と15時の2枠。




スペックは、前回の4月走行時に対し、車高調以外では、羽無し、マツスピLSD装着
助手席(純正シート)は外さず(雨が心配なため)
タイヤも前回のAD07 205−50/15のまま。

1枠目とりあえず街乗りセットのF2段目、R2段目で走行。31.5秒。
いきなり前回のベストと同タイム。
F4段目R4段目で走行するもタイムアップなし。タイヤがもうタレてます。
F8段目R8段目でも走行し、ちょっとタイムダウン。
本人曰く、減衰の差が良く分からないとのこと。F8R8は乗りやすいが
タイムが出ない、とか。
とりあえず私が勘でF8R4に変更させても結局タイムアップなし。
で、2枠目の途中で178天狗が試乗。減衰はF8R4のまま。
5周アタックで、31.5、31.4、31.3、31.1、31.005。
見事に前回のベストより速いタイムを記録。
コメントは、フロントが硬すぎる、リアはこれでバッチリだ、LSDのせいか
フロントのアライメントのせいか、なんかコーナリング中の修正が必要だ、など。

それに合わせてF6R4でK田くんが再アタック。31.386で自己ベスト更新。

私が乗ってみての感想は、スムーズな動きでトラクションも十分。曲がるし、
踏めるし、悪いところはほとんどなし。ただ、タイムを詰めようとすると
ハンドリングのインフォメーションがイマイチで、スピンモードへの移行が
分かり難いかも。178NB号と乗り比べてもその差は結構大きいです。
アライメントの問題か、LSDのせいだと考えます。

当日の178天狗@NBのタイムが、048 30.06?、AD07 31.005。
AD07のリアがなぜかあまりグリップしない、とのこと。048との差が約1秒
と大きいので、ゴムが終わってしまったのかも。
ぶちょとの決戦後1年放置してしまったので、そのせい?
コンディションによるタイム差は少なめにみて0.3秒、多めにみて0.5秒。
仮に羽、助手席で0.1秒アップするとしても0.4秒は落ちているはずなのに
K田くんは0.2秒近くタイムアップ、178天狗が乗っても0.1秒強のアップ。
実質0.5秒以上のタイムアップ効果と考えられます。

今回ハッキリ分かったのは、軟らかいバネ+バンプラバーでは乗り方、走行ライン
に自由度が低く、バネを硬くすると動きが速くなる上に自由度が上がり、タイム
アップする可能性が上がる、ということです。
明らかにロールが減り、タイヤが使いきれるようになりましたがそれだけではない、と。
もとろんアシ全体に問題が無ければ、という前提でですが。

また、今回投入した機械式LSDですが、ベストなセットのF6R4ではトラクション
がかなりあるため、タイヤがタレた時でもドリフトが難しいようでした。
スライドが続けられずに途中でグリップが出てしまい飛距離が出ません。
立ち上がり加速時のステアの反応が鈍く、アクセルオン、オフでの動きも違和感
を感じます。明らかにNB号のほうがスムーズで素直でした。
あまり否定ばかりしても良くないですが、やはり200ps以下では不要と思います。
ウェットでは効果があるかもしれません。


【まとめ】

わざわざ純正形状ベースで製作したのには訳があります。
ショックというものは数値ではなく、実際にクルマにつけて乗ってみないことには
なにも分かりません。なので自分の経験から今回のショックを選びました。
フロントについてはGABですが、KYB製のストリート用の中では縮みがしっかり
していそうだったし、リアのバズスペックは一番最後に開発されたものだからです。
ケース長で車高は制限されますが、ハイアッパーにしてしまえばそれも問題ないです。
何を優先するべきか、それをハッキリさせたかったのです。

カタログで見ると、YzのリアショックとバズスペックNBリア用の減衰力の
スペックはほぼ同じなんです。反発力は違います。Yzが109N、バズが59N。
スーパーストリートはもっと低く30N程度。これは乗り心地に差が出ますが
サーキットではあまりその差を感じないように思います。
耐久性や熱ダレなどの影響はあるかもしれません。

結局車高調用とか、レース用、ジムカ用、ストリート用など分別されていますが、
なんなんでしょうね。私にはまだ分かりません。

実際には手間を考えると、Yzのリアショックの価格はバズ+カブセより安い
ので、乗り心地を優先しないのであれば、Yz(YZR9H-HD)をオススメします。
フロントはYzでもバズ+カブセでも値段が変わらなくなってしまうようです。

KYB製同士なら減衰の違いは数値で比較できそうですが、メーカーが違うと
比較できそうにありません。
それ以外の特性の差が影響して、クルマの動きが変わってしまうと思います。

作手においての基準になるアシが出来ました。ASA、オーリンズの仕様変更
などの対応でコレに負けないものが出来るのであればいいのですが、それが
実現できないとなると、使い捨てのKYBを使わざるを得ないことになるかもです。
ただ、リアショックのストロークでKYBに勝てるショックは他にありません。
もちろん余分なストロークは要らないのですが、まだそれは分かりません。