2006年5月1日〜
後期ヘッド(STi4)を使ったエンジンを組みます。
腰下は去年下ろした元のC型のものを使います。(GDB腰下がホントは欲しいですが)

インプに使われるシリンダーブロックは大きく3種類あります。(材質は全てアルミです)

初期型(A、B型とC型の一部)には、クローズデッキと呼ばれる、剛性が高いブロック。

その後のGC8の最終までがオープンデッキです。また、GDAなど現行でもパワーの控えめな
車種もそのままです。
この2つは主に鋳造方法の違いによるもので、クローズドデッキは水通路を砂型中子で鋳抜く
重力鋳造。オープンデッキは全て金型によるダイキャストです。ダイキャストは短時間で鋳造出来、
高圧でドカンと鋳造するので、ものによっては重力鋳造より硬いです。また薄肉で軽量に出来ます。

GDB(STi系のみ?)には、セミクローズドデッキと呼ばれる、特殊なダイキャストの製法による
ものです。オープンデッキの欠点である、シリンダーボアの剛性不足を補うものです。

ハッキリ言って、このGDB用の腰下を使わないと、パワーは望めません。オープンデッキでは
300psぐらいが安心できる範囲です。

今回はGDB腰下が手に入らなかったので、とりあえずオープンデッキの腰下で組みます。



正月休みに組んであったエンジンスタンド。キャスターは大きいのに変更して砂利の上でも移動可能。




ヘッドをはぐったところ。これがオープンデッキの合面です。
この腰下に使われているのは鋳造ピストン。STiやRA(競技ベースグレード)では、
鍛造ピストンです。なのでこの腰下を使う以上、レブもブーストも控えめにしないとだめです。
っていうか、すでに10万kmなので、どれだけもつか分かりません。ダメなら、次、です。




10万km弱を走行したエンジンにしては、とてもキレイ。縦キズもなく、クロスハッチも
残ってます。カーボンも少なめ。十分このまま使えそうです



ヘッド側。プラグも初めて外しましたが、フルブースト時の空燃比が10ぐらいなのに、とっても
キレイです。ターボは温度が高いから?
オイル上がり、オイル下がりなどがほとんどなかった、て事でしょう。他にもオイルもれはないし。
そういう意味では耐久性は高いのに・・・ターボってすごい負担なんでしょうね。やっぱり。

もうこのヘッドはもう使いません。たぶん歪んでますし。

スペックでいえば、前期型のWRXに対し、STi4のヘッドでは色々違います。
カムが動作角、リフトともに違います。油圧ラッシュアジャスターで、レブが上げれないなど。
STi4はインナーシム式でレブは8000回転OKです。(ラッシュだと7000回転)




外したエキマニ1式。合計で17kg以上ありました。交換予定のシムスのマニは約9kg。
ここで8kgの軽量化は大きいですね。




再利用するのはこの状態のもの。ウォーターポンプ、タイベル、テンショナーなどは新品にします。









もちろんヘッドガスケットは新品。STi4用純正メタル。
締め付けはトルク管理ではなく、角度管理です。
3kg・mで締めて、90度締めて、45度締める。最後に真中の2本はさらに45度締める。
ちなみにヘッドボルトも新品にしてます。




合面を下に向けてキレイにして・・・




ヘッドを組み付けます。




右も組み付けたら、ウォーターポンプを取付け、水回りの配管をサムコのシリコンに。




タイミングベルトとテンションプーリーなどを組み付けて・・・



このようにタイベルの白線とクランク、カムプーリーを合わせればバルタイ調整完了。
あとは、ヘッドカバー、ベルトカバーを組み付ければ終了です。
意外と簡単。(腰下をばらしてないないからです)




シムスのエキマニ。等長タイプです。
バンテージを巻くのは大変でした。テキトーに巻いてあるところもあったり。



左が今回使用するゼロスポーツのタービン。ほぼSTi3のものと同じと思われます。
ボールベアリングタイプで小型の立ち上がり重視のタービンです。見た目は変わりませんが。




エンジンに取付けて完成。

載せるのはミッションをクロスに組替えてからになります。
5月中には走らせたいなあ。

【後日追記】
シムスのマニは先に取付けてしまうと、フレームに干渉してエンジンを載せられないことが判明(泣
外しておいて、エンジンを載せてから下から取り付けることになります。

その2へつづく